
積層セラミックコンデンサ
(MLCC)ってなに?
現代の電子機器を支える、小さくて超重要な部品のすべて
01MLCCってなに?
Multi-Layer Ceramic Capacitor
(マルチ レイヤー セラミック コンデンサ)
電気を一時的にためたり、流れを整えたりする
「超小型の蓄電池&フィルター」のような電子部品です。
02どんなしくみ?(断面図)
「積層」=うすい層を交互に何枚も重ねること。
これにより、極小サイズでも高性能を発揮します!
03何からできているの?
セラミック材料
チタン酸バリウム
電気をためるはたらきを助ける「誘電体」の役割。
内部電極
ニッケル
電気を出し入れするための金属の層。
外部電極
銅・ニッケル・すず
基板につなぐための両端の接続パーツ。
04どうやって作るの?
05どんなはたらきがあるの?
🔋 電気をためる
必要なときにサッと電気を出せるように準備します。
⚖️ 電源を安定させる
電気の変化を小さくし、機械の誤作動を防ぎます。
🛡️ ノイズを減らす
不要な電気信号をカットし、回路を守ります。
🌊 波をなめらかに
電源のガタガタを抑え、きれいな電気を作ります。
06どこで使われているの?
小さいけれど、超重要!
- ✅ とても小さいのに高性能
- ✅ 電子機器を安定して動かせる
- ✅ あらゆる現代の製品に必要不可欠
MLCCは、私たちの便利な生活を影で支える小さな巨人です。

進化を続ける
「ムラタのMLCC」最新戦略
AI・自動運転時代を支える、世界トップクラスの積層セラミックコンデンサ
1. 概要:積層セラミックコンデンサ(MLCC)とは?
- 基本構造: セラミック誘電体層と電極層を交互に積層した電子部品。
- 主な役割: 電気の蓄電・放出、ノイズ除去、電圧の安定化。
- ムラタの地位: 世界シェア約4割を握るグローバルリーディングカンパニー。
- 市場の評価: AIデータセンター投資の活況などにより、時価総額20兆円を突破(関西企業首位)。
2. 最新の技術革新:車載・ADAS向けの超小型化
自動運転の高度化に伴い、限られた基板面積で機能する高性能MLCCの需要が急増。
最新の成果(量産開始)
- 占有面積36%削減: 従来品(3.2mm × 2.5mm)から、縦を1.6mmへ小型化。
- 世界最大の静電容量: 同サイズ・同定格電圧(4V)の条件で100µFを実現。
ブレイクスルーの要因: 独自のセラミック材料技術 + 内部電極の薄層化技術。
3. 圧倒的な製品ラインアップと主要フィールド
極小チップから大型、高信頼性品まで網羅し、あらゆる回路仕様に対応。
【仕様・スペックの幅】
サイズ: 0.16mm × 0.08mm(極小) ~ 大型品
静電容量: pF ~ 数百µF
定格電圧: 数V ~ 数kV
【活躍する4大フィールドと役割】
民生機器
電源安定化、高周波信号バイパス、高速処理維持。
車載機器
過酷な環境(熱・振動)に耐える長期信頼性、ECU等の電源安定化。
産業機器
電圧変動への耐性、長時間連続稼働時の精密制御。
医療機器
絶対的な信頼性が求められる高度医療機器の安定動作サポート。
4. 強みの源泉:「三位一体」の垂直統合型モノづくり
原料調合から設備開発、製造、検査までを社内で一貫して行う体制。
- 材料技術力: ナノレベルの粒径制御、誘電体粉末とペースト材の最適配合(極薄・均一な層の形成)。
- 生産技術力: 業界屈指の「高精度積層技術」による小型・大容量化の同時実現。
- 設計提案力: 構想から量産までサポート(基板面積削減、PDN/EMCノイズ対策など)。
- グローバル対応力: 世界各地の拠点による迅速なニーズ対応とノイズ測定・改善提案。
5. 【新展開】研究開発力の強化
(初のMLCC専門拠点)
AIサーバー向けの需要急増など、激化する先端品開発レースをリードするための布石。
拠点名: セラミックコンデンサ研究開発センター(福井県越前市/2026年3月業務開始)
投資規模: 約350億円(延べ床面積 約42,000㎡、従業員約500人)
新拠点の特長
- 開発の迅速化: 製造ラインを逼迫させず、自由に試作・評価できる専用ラインを配置。
- 知の融合: 「オフィス(東)」と「試作・評価ライン(西)」をガラス張りの吹き抜けで繋ぎ、議論を活性化。
- 開発思想: 材料・工法・商品開発の「三位一体」による最先端品の開発。
6. 【新展開】中長期の需要増に応える生産能力の増強
EVやAIサーバーの普及を見据え、生産能力を毎年1割程度増強する計画を推進。
島根・出雲での大規模投資
- 出雲村田製作所 新生産棟: 10階建て・延べ床面積約7万㎡の大規模施設が完成(投資額:470億円)。
- 役割: 自動車の内部で電気の流れを整える車載向けMLCCなどの生産能力を拡充。
今後の展望: 島根県安来市にも2030年をめどに新工場の建設を検討中。
