🚨 2024年の倒産件数は11年ぶり1万件越え
東京商工リサーチ(TSR)によると、2024年の企業倒産件数(負債1千万円以上)は、11年ぶりに1万件を超えました。
倒産が増えた業種は、建設業、製造業、卸売業、小売業、サービス業など。一方、金融業や不動産業では減少しましたが、全体的に多くの業種で倒産が増加しています。
🤔 倒産増は景気後退の予兆?
📉 コロナ支援終了が影響
2024年の倒産増は、コロナ禍での政策支援終了が一因です。
2020年~2022年は、コロナで景気が悪化しても倒産件数は過去最少でした。これは、ゼロゼロ融資などの支援策が中小企業を支えたため。
しかし、2023年以降、支援が縮小され、負債を抱えた企業が返済に追われ、倒産が増加しています。つまり、現在の倒産増は景気サイクルとは直接関係ない可能性が高いです。
💼 負債総額は増加せず
倒産件数が増えても、負債総額は前年からわずかに減少。過去の景気後退期(2000年や2008年)と比べても、負債総額の増加は限定的です。
さらに、上場企業の倒産は2024年に1件のみで、2008年の33件と比べると非常に少ない。これらの点から、景気悪化の予兆とは言えないと筆者は分析しています。
⚠️ 物価高による倒産リスク
📈 物価高に対応できない企業が増加
2024年は、物価高に対応できない企業の倒産が700件程度と、2年前から倍増。特に、中小・零細企業が苦境に立たされています。
原材料費や人件費の高騰に直面し、価格転嫁が難しい企業は、収益が圧迫され倒産に追い込まれています。特に、サービス業では価格転嫁力が低く、倒産が増加しています。
🛒 小規模企業の価格転嫁力が低下
図表3によると、小規模企業ほど価格転嫁力が低下しています。2025年は賃金と物価の好循環が期待されていますが、個人消費が大幅に加速しない限り、小規模企業の倒産は増加するリスクがあります。
😕 実感なき景気回復の可能性
📊 中小企業の苦境が続くリスク
中小・零細企業の苦境が続くと、実感なき景気回復が進む可能性があります。
財務省の法人企業統計や日銀の短観では、資本金2千万円未満の企業は完全にはカバーされていません。つまり、統計上の景気回復と、実際の従業員の実感に乖離が生じる可能性があります。
💸 消費者マインドの改善が鍵
日本銀行の生活意識調査では、暮らし向きDIがリーマンショック時と同程度まで悪化しています。
消費者の実感が伴わない景気回復は、持続的な経済成長を妨げるリスクがあります。特に、価格転嫁が進まない企業が多い現状では、賃金と物価の好循環が途切れる可能性も否定できません。
👷 人手不足による倒産が増加
📉 人手不足倒産が過去最多
2024年は、人手不足による倒産が急増しています。特に、サービス業や建設業などの労働集約型産業で顕著です。
さらに、後継者難による倒産も増加しており、代表者の高齢化や健康悪化が大きな課題となっています。
🏚️ 休廃業・解散が過去最多
2024年は、休廃業・解散件数が初めて6万件を突破し、過去最多を更新しました。
高齢化や後継者不足に加え、物価高による収益圧迫が事業継続を断念させるケースが増えています。倒産と休廃業・解散を合算すると、7万件超の企業が退出しており、これは過去最多です。
🔮 今後の見通し:人手不足型経済の加速
📉 企業退出が趨勢的に増加
少子高齢化が進む日本では、人手不足型経済がさらに加速し、企業の退出が増加する見通しです。
特に、2030年代には生産年齢人口がさらに減少し、人手不足が深刻化するリスクが高まっています。
⚠️ 過度の楽観は禁物
企業退出が増えることで、経済の新陳代謝が進むという見方もありますが、現実的には労働者の生産性低下や失業率の上昇などのリスクもあります。
企業退出さえ増えれば経済が良くなるという過度の楽観は避けるべきです。
🛑 2025年からの5年間がラストチャンス
少子高齢化の進行スピードを抑え、人手不足型経済に適応できる環境を整えることが急務です。
2025年からの5年間は、日本経済の構造改革を進める最後のチャンスと言えるでしょう。
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倒産件数の増加は、日本経済の構造的な課題を浮き彫りにしています。
今後の動向に注目しつつ、持続可能な経済成長に向けた対策が求められています。